大熊ファーマ代表の馬場です。今回は、当社がApp Storeで公開しているお薬手帳アプリ「万能お薬手帳 by ダイクマファーマ」を、なぜ作ったのか、どんなところにこだわったのか、そして実際に家族に使ってもらって何が変わったのかをお話しします。
1. きっかけは、家族の「飲み忘れ」でした
私は健康に関わる事業に携わる立場であると同時に、自分自身や家族に、日常的に薬を飲む必要がある一人の生活者でもあります。
家族が年齢を重ねるにつれて、飲む薬の種類は少しずつ増えていきました。それと一緒に増えたのが「飲み忘れ」です。朝の薬は飲んだか、昼の分はまだか。慌ただしい毎日の中で、処方されたとおりに薬を飲み続けるのは、本人の努力だけではなかなか難しいと感じるようになりました。
処方どおりに飲み続けるには、気合いではなく仕組みが必要です。「こういうものがあったらいいな」を自分たちの手で形にしたのが、万能お薬手帳です。
2. 面倒なルーティンを、少しでも楽しく
服薬の記録は、毎日のことだからこそ面倒になりがちです。そこで開発で一番大事にしたのは、機能の多さよりも「毎日開くのが苦にならないこと」でした。そのために入れた工夫を3つ紹介します。
テーマの切り替え
毎日見る画面だからこそ、自分の好みの見た目で使えるように、アプリのテーマを切り替えられるようにしました。小さなことですが、「自分の道具」と感じられるかどうかは、続けられるかどうかに意外と大きく影響します。テーマを何種類用意するかは開発中にかなり悩みました。選択肢が少なすぎれば楽しくなく、多すぎれば選ぶこと自体が面倒になるからです。
飲み忘れカレンダー
飲めた日と飲み忘れた日が、カレンダーでひと目で分かるようにしました。記録が積み重なっていくと、飲み忘れが多い曜日や時間帯など、自分の傾向も見えてきます。本人だけでなく、家族の服薬を見守る立場の方にとっても、状況を把握しやすくなります。
受診前に答えておける問診機能
今ある症状を入力すると、どの診療科にかかるのがよいかの目安を確認でき、その回答をそのまま医療機関に提示できる問診機能をつけました。自宅で落ち着いて答えておけば、受診のたびに問診票を書く手間を減らせます。
なお、この機能はあくまで受診先を考えるときの目安を示すもので、診断を行うものではありません。気になる症状がある場合や、症状が急に悪くなった場合は、ためらわずに医療機関を受診してください。
3. 年齢を問わず使える画面にするために
開発で特に苦労したのが、高齢の家族でも迷わず使える画面づくりです。ボタンの大きさや文字のサイズは、自分が使いやすいと感じる大きさでは足りず、何度も調整しました。また、毎日の記録は入力の手間が少しでも多いと続かなくなるため、ひとつの操作でできることを増やし、タップの回数を減らすことを意識しました。
実際に家族に使ってもらうと、自分では気づかなかった「分かりにくい」がいくつも見つかりました。そうした声をもとに、表示や操作の流れを直しています。
4. 家族に使ってもらって変わったこと
使い始めた当初は、家族から操作方法を聞かれることもありましたが、すぐに慣れてくれました。うれしかったのは、「カレンダーで飲めた日が見えるのがうれしい」「紙の手帳を持ち歩かなくてよくなった」という声です。
記録がたまってくると、飲み忘れが朝や寝る前など特定の時間帯に集中していることも分かりました。家族の誰が何の薬を飲んでいるのかも把握しやすくなり、受診の際に薬の名前を聞かれたときには、画面をそのまま見せて伝えられるようになりました。
5. 画面で見る使い方ガイド
ここからは、実際の画面に沿って、万能お薬手帳の使い方を紹介します。画面の下に並んだ「今日の服薬」「お薬手帳」「服薬カレンダー」「問診・トリアージ」「More」の5つのタブから、それぞれの機能にすぐ移動できます。
今日の服薬:飲んだらタップするだけ
アプリを開いて最初に表示されるのが「服薬チェック」の画面です。朝食後・昼食後など、飲むタイミングごとにその日の薬が並び、飲んだら横の「飲む」ボタンをタップするだけで記録できます。
画面の上には、その日に飲むべき薬のうち、どれだけ飲めたかが「本日の服薬アドヒアランス」として%で表示されます。アドヒアランスとは、処方されたとおりに薬を飲めているかどうかを表す言葉です。数字がひと目で分かるので、「今日はあと何を飲めばいいか」がすぐに確認できます。
お薬手帳:処方中のお薬をまとめて管理
「お薬手帳」タブでは、いま処方されている薬を一覧で管理できます。右上の「+」ボタンから薬を登録すると、薬の名前、1回の量、飲むタイミング、処方元の医療機関などをまとめて記録できます。
薬ごとに通知をオンにしておけば、飲む時間にお知らせが届きます。紙のお薬手帳のように持ち歩く必要がなく、受診のときにはこの画面を見せるだけで、今飲んでいる薬を伝えられます。
服薬カレンダー:1か月の記録をひと目で
「服薬カレンダー」タブでは、1か月分の服薬の記録をカレンダー形式で確認できます。すべて飲めた日と飲み忘れがあった日は、色の違う印で区別されます。画面の上にはその月の服薬達成率も表示されるので、1か月を通してどれだけ処方どおりに飲めたかを振り返れます。
前の月や次の月に切り替えることもできるので、長く使うほど、飲み忘れが多い時期や曜日の傾向が見えてきます。
問診・トリアージ:受診の前に症状を整理
「問診・トリアージ」タブでは、今ある自覚症状をチェックリストから選んでいきます。突然の激しい胸の痛みや、片側の手足に力が入らないといった、急いで受診すべき可能性のある症状には「緊急」の印がついています。
チェックした内容は、受診の際にそのまま医療機関に見せられるように整理されます。ただし、この機能は受診先を考えるための目安であり、診断ではありません。「緊急」の印がついた症状がある場合は、アプリの結果を待たずに、すぐに医療機関を受診するか救急車を呼んでください。
More:受診レポートと病院・薬局
「More」タブからは、問診の結果などをまとめた「受診レポート」や、かかりつけの「病院・薬局」の情報にアクセスできます。画面右上のパレットのアイコンからは、アプリのテーマを切り替えられます。
6. これからも「続けられる」道具を
薬は、正しく飲み続けてはじめて効果を発揮するものです。万能お薬手帳が、ご本人やご家族の「飲み忘れたかも」という小さな不安を一つでも減らせればうれしく思います。
使ってみてのご意見や改善のご要望は、お問い合わせからお気軽にお寄せください。いただいた声を、今後のアップデートに生かしていきます。